中央・南アジアとオセアニア 草の根的に高い暗号資産普及率 各国で理由に大きな差異

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中央・南アジアとオセアニア(CSAO)は、調査対象となった暗号資産マーケットの中では4番目に大きな市場です。2020年7月から2021年6月の間に受信した暗号資産の総額は、同時期の世界全体の取引額の14%に相当し、5,725億ドルを超えています。CSAOの取引量は、価値にして前年比で706%増加し、世界における暗号資産取引量のシェアは2%増加したことから、CSAOは中東および中央・北・西ヨーロッパに次いで成長率第3位の地域となりました。

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注目すべきは、この地域における暗号資産の草の根的な普及です。CSAOには当社による世界暗号資産普及指数における上位3カ国が含まれています(1位ベトナム、2位インド、3位パキスタン。なお、タイは12位、フィリピンは15位)。ここからは、この地域の主なトレンドを分析し、この地域において暗号資産普及の原動力となった要因を検討します。

中央・南アジアとオセアニアで暗号資産の普及を後押しするものとは?

他の地域と同様に、CSAOでもこの1年間でDeFiの取引量が爆発的に増えています。

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2020年5月頃から、全取引量に占めるDeFiの取引量の割合は急増し、2月には50%を超えました。この動きは主にUniswap、Instadapp、およびdydxによって牽引され、Compound、Curve、AAVE、および1inchでも顕著な動きが見られます。

CSAOでは、暗号資産プロフェッショナルの運用規模(1万ドルから100万ドル相当)の送金が、取引量の最大の割合を占めています。

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しかし、機関投資家および大規模機関投資家の送金が取引量の多くを占めているものの、北米や中央・北・西ヨーロッパなどの大規模マーケットには及びません。

暗号資産の草の根的な普及率が最も高いCSAO各国の比較:   インド、ベトナム、パキスタン

インド、ベトナム、パキスタンはいずれも草の根的な暗号資産の普及率が高い状態にありますが、その取引額はまったく異なります。

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注目すべきは次の2点です。1つ目は、インドとベトナムのマーケットはパキスタンよりもはるかに大きいということ。2つ目は、インドではDeFiプラットフォーム上での取引量の割合が59%と、ベトナムの47%、パキスタンの33%を大きく上回っていることです。これら3カ国はいずれも前年と比較して大幅に成長しました。パキスタンの成長率は711%と最大で、それをわずかに下回ったのがインドの641%でした。 

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通貨別の取引額の内訳を見ると、興味深い違いも見えてきます。例えば、ベトナムやパキスタンに比べ、インドでは、EthereumとWrapped Etherが取引に占める割合が高くなっています。

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EthereumとWrapped EtherはDeFiの取引でよく使われているため、驚くことではありません。

これらの内訳は、マーケットごとの洗練度の違いを反映しているのかもしれません。ベトナムの暗号資産マーケットを広く調査している、豪州・ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)のフィンテック・暗号資産ハブコーディネーターで、RMITベトナム校の財務担当シニアプログラムマネージャーでもあるBinh Nguyen氏は、多くの暗号資産取引はギャンブルに似ていると話します。

「ベトナムではほとんどのギャンブルは違法ですが、非常に人気があります。それが、ベトナム人が暗号資産のような高ボラティリティ資産に投資したがる理由の1つだと思います」。Nguyen氏によると、ベトナムの暗号資産コミュニティには、お金の未来を変え、DeFiを含む革新的なプロジェクトを構築したいと思っている、技術に精通した人たちがいます。しかし、暗号資産に投資する人々の多くは、高い金融リテラシーもリスク管理の経験も持ち合わせていないとのことです。「金融リテラシーが低いことが過剰なリスク投資につながっており、上昇相場においては、これにより運良く利益がもたらされることもあるでしょう。一方で洗練された多くの投資家は、5年も10年も様子をうかがったまま、好機を逃してしまうかもしれません」

Nguyen氏はベトナムの暗号資産マーケットを小売主導型だと表現しましたが、現時点では、貯蓄を長期的に維持したり、インフレから守ったりするために多くのベトナム人が暗号資産を利用しているとは考えておらず、貧しい地域や遠隔地では暗号資産の普及率は比較的低いと指摘しています。Nguyen氏は「ベトナムでは若者が投資を行う場合、その選択肢は限られています。投資信託やオプション、先物の金融マーケットは十分に発達しておらず、ベトナムの株式売買の普及率は5%未満です。5,000ドルの投資資金があったとしても、投資先は他にほとんどありません」と話し、政府による規制の方向性が明確になれば、ベトナムの暗号資産マーケットは成熟する可能性があると指摘します。そのためには、暗号資産が財産であるかどうかについて規制当局が早く明確なガイダンスを出すことを期待しており、暗号資産プロジェクトの規制のサンドボックス制度にも賛成だと述べています。

あるパキスタンの暗号資産トレーダーは、パキスタンにおける暗号資産の普及について同じようなことを述べました。つまり、パキスタンでよく利用されるサービスの種類や暗号資産は、ベトナムと似ているのです。PaxfulのエキスパートトレーダーであるMuhammad氏の経験では、ほとんどのトレーダーは貯蓄よりもアルトコインの取引に注力しているとのことです。「明らかにみんな楽をしてお金を儲けたいのです。しかし、誰もリスクは冒したくないし、損もしたくない」。Paxful社のもうひとりのエキスパートトレーダーであるJunaid氏も、暗号資産の状況について同様の話をしています。「私は、ADA、TRX、WAVES、SOL、DOT、CAKE、DLT、COMP、SC、SHIB、XRV、CRVのような多くのアルトコインをUSDTとのペアで取引しています。ご存知の通り、ADA、WAVES、SOL、その他多くのコインが急騰し、私はそれらを保有していたおかげで利益を得ることができました」

これら両国に比べると、インドの暗号資産マーケットは比較的成熟しているようで、地域の取引規模の内訳からもそれがわかります。

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インドを拠点とするアドレスから送信される取引のうち、大規模投資機関が行うような1,000万ドル超相当の暗号資産の送金の割合は、その42%に及んでいるのに対し、パキスタンではその割合が28%、ベトナムでは29%となっています。これらの数字は、インドの暗号資産投資家が、より大規模で業界に精通した組織の一部であることを示唆しています。

すでに述べたとおり、インドのDeFiマーケットははるかに大きく(人口規模を考慮するとそれほどでもないが)、この地域では暗号資産関連の起業やベンチャーキャピタル投資が大幅に増加しています。インドを拠点とする暗号資産投資会社LedgerPrimeのプリンシパルであるJoel John氏は、インドで暗号資産ビジネスが合法化されるのをリアルタイムで目にした経験を話してくれました。「かつては暗号資産にある程度のマイナスイメージがありました。2014年の段階では、ベンチャーキャピタルに参加して暗号資産に携わっていると言えば、夕方には誰かがやってきて、オンラインで麻薬を手に入れられるか尋ねてきても不思議ではありません。しかし今では、暗号資産はクールな存在になりました」。昔からの投資家の中には、いまだに暗号資産を疑いの目で見ている人もいますが、全体的には肯定的な感情を持っている人が増えていると話します。

John氏はまた、インドの暗号資産投資家の大半を駆り立てている要因についても語ってくれました。「インドで株式投資をするには、多くの書類にサインするという、長く面倒な手続きが必要で、そのために3~4日もかかってしまいます。しかし暗号資産に投資するには1時間もかかりません」。インドには株式投資家の4倍の暗号資産投資家がいると、John氏は推測します。John氏によると、これらの投資家の多くは、以前は主に不動産などの資産に投資をしていましたが、不動産は最近利益が減少しています。しかし暗号資産によって彼らは新たなアルファ値のもとを手に入れたのです。しかし、それはマーケットの上層部の話にすぎません。下層部では、インドの大規模なフリーランス経済のもと、多くの人—主に海外の雇用者のために技術関連の仕事をしている人—が、利便性と資産への関心の両方から、暗号資産での支払いを求め始めているとJohn氏は言います。 

QuantstampのマネージングディレクターであるKrishna Sriram氏も、この件について話してくれました。「海外の雇用主のために働く多くのインドの開発者、ファンドアナリスト、フリーランサーが、暗号資産での支払いを求め始めています。まさにボトムアップによる普及です」。また、この支払いを受けている同氏の知り合いのほとんどが、中央取引所や分散型取引所を通じてイーサリアムまたUSDCでの支払いを受けることを選んでいるとも話します。「その理由は、こうした人々の多くがイーサリアムやDeFiのエコシステムにてフルタイムで働いていることにあると思います。私たちはそこでの大きな成長を目の当たりにしており、多くの開発者が従来の技術系のユニコーン企業で働いた後、この分野に移っています」 

大規模なDeFiマーケットの人気の理由としてSriram氏は、インドのように規制が不透明な地域では、中央取引所の利用が難しくなっていることを挙げています。「中央取引所は、特定の管轄区域の人々にとってますます厳しくなり、利用が難しくなっています。DeFiであれば、あなたがどこの人かで区別したり、あなたが利用している銀行との付き合いがあるかを気にしたりはしません。DeFiはオープンで、認可とは無縁のシステムです」。この1年間、暗号資産に対するインドの規制については、それぞれに相反するようなレポートがあり、インド政府がデジタル資産を完全に禁止する可能性があるとも報じられました。しかし最近では、インドの規制当局は、禁止するのではなく暗号資産取引に課税しようとしているようです。

実際、この1年は、暗号資産に対するインドの規制姿勢を理解するという点で激動の1年でした。デジタル資産を全面的に禁止する可能性を指摘する報道もありました。しかし最近ではインド政府は、禁止するのではなく暗号資産取引に課税するアプローチに傾倒しているようです。

Sriram氏は、インドにおける暗号資産メディアとインフルエンサーエコシステムの開発の重要性についても強調しています。非代替性トークン(NFT)を推進するボリウッドの人気俳優Kunal Kapoor氏や、暗号資産教育用YouTubeチャンネルであるSuperpumpedを開設したソーシャルメディア・インフルエンサーのAkshay BD氏とTanmay Bhat氏について触れ、「彼らはただ『ビットコインを買え』と叫んでいるのではありません。インフルエンサーは、さまざまなプロジェクトのメリットについて、絶妙な切り口で議論しているのです」

中央アジアと南アジアの最大のマーケットについての相違点は、これらの国々が暗号資産マーケットの発展において異なる段階にいる、という事実を反映している可能性があります。多くの人が最初に暗号資産に目を向けるのは、さまざまな投機的取引で簡単に利益を得たいからです。それだけなら、集中型サービスや従来のP2Pプラットフォームで行うことができますし、まさにそれがベトナムとパキスタンにおける主要なユースケースのように見えます。しかし、インドのように暗号資産コミュニティが成長し、外部からの投資を呼び込んでいるマーケットでは、DeFiプロトコルのような革新的なプロジェクトの開発と利用が増えています。

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